人間一人で生きられぬ
- 2018/06/14
- 10:13
よく「俺は己れの力で生きているのだ、
他人様の世話は受けぬ」など
広言を吐く人があります。しかし、
これはとんでもない間違いなのです。
よく考えてみて下さい。
自然、隣人、社会の恩恵があればこそ
生きていけるのです。
産業がいかに進んでも
太陽、空気、水がなくては忽ち
人類は滅亡してしまいます。
また、どんな英雄偉人であっても、
生まれ落ちで直ぐに自己の力で成長した
例はありません。肉親、隣人の援助が
あったればこそ一人前になれたのです。
このように私達は常に何らかの恩恵に
よって生かされているわけです。
恩恵にあづかっている以上、
当然のこととして
その恩恵に報恩しなければなりません。
そのためには、
まず現在おかれている自己の立場を
自分を捨てた見地から十分見直して
みる必要があります。
素直に謙虚な心で己れをみたとき、
自分というものが、いかに周囲から
多くの恩恵を受けているかが解る筈です。
このことが今の私達には忘れられ
何でも彼でも自分の立場でしか物事を
見ようとしないのが大きな間違いなのです。
己あっての他でなく、他あっての己で
あるわけです。更に申せば
他を生かすところに自分の生きる道も
生まれてくるのです。多くの恩恵に
よって現在、生きている喜び、有難さ
というものを知れば己ずと
他を大切にする心が生れてきます。
いま一歩進みますと、今度は他を大切に
する喜びを知ることが出来ます。
これらは決して難しい理屈ではなく、
日常の心の持ち方一つでそうなるのです。
自分が他を愛せば
他もまた自分を愛してくれます。
愛し愛される心-
これが人生の生甲斐であり、生きることを
喜ぶ心でもあると思うのです。
世の中の人は誰れも皆んな人の子で
あると同時にやがては親にならなければ
なりません。と同様に自分が今日迄、
世の多くの人々の恩恵によって
生かされて来たのであるならば、
やがては自分も世の人々を
生かしてゆかねばなりません。
人間、一人では決して
生きられるものではないことが、
真底より分れば、世の人々を
幸福にぜざるを得ないでしよう。
児玉語録
和歌山断酒道場 前道場長
児玉正孝先生訓話集
     
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