一期一会
- 2018/06/12
- 19:31

盛者必滅会者定離とい言葉がありますが、
この「一期一会」という言葉も
これによく似た意味のもので、
茶道にある言葉です。
人間の数は、いまは何万億とありますが
全宇宙の生物、馬牛犬の動物から
一木一草の植物さらにまた虫や昆虫など
総ての生物の数からみると
人間の数は実に微々たるものです。
釈尊は全宇宙からみた人間の数は
「爪上の砂の数」
でしかないと教え人命の尊さ、
人間使命の重大さを説いておられます。
この選ばれて人間として生れてきた
数少い吾々人間仲間が、互に我執に
とらわれて自我をむき出しにして
争うなどということは、
人間の生命、使命を冒瀆(ぼうとく)する
最たるものといわなければなりません。
一期一会とは人間の"出会い"
のことをいいます。
人間はこの出会いというものを大切に
しなければなりません。
この道場にも全国各地から来て
おられるわけですが、
お互に昨日までは全く未知の間柄
であったのが、今日こうして寝食を
倶にして修行に励む同僚となっている、
このように"出会い"あるいは"機縁"
というものは全く不可思議なものです。
袖振り合うも他生の縁とか…いわんや。
同県人であっても一生涯会うことなく
終わる人達の多い中で、
遠い他県の人と出会うというこの
不思議な縁を深く考えてみるとき
少なくとも私達は、
不測の縁によって結ばれ知り合った
人達だけでも大切にすべきであり、
又いつかは永久に別れてゆくべき
お互いだと思ったら争うなどと
いったことはみじんもできぬ
筈であります。
一期一会、出会いの不思議というものを
考えれば考える程、人間の和が
如何に大切であるかということが
自然に解ってくると思います。
知り合った者同士が仲良くやって
いければ自然と人間社会に大きな和が
生まれてくるといえます。
これが世界平和への理屈でも何でもない
最も大切で、最も手取り早い道では
ないかと思うのです。
児玉語録
和歌山断酒道場 前道場長
児玉正孝先生訓話集
     



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