改造でなく革命である
- 2018/06/28
- 19:18

アル中からの脱出は、人間人格の改造でなく、
更に一歩つき込んだ革命でなくてはなりません。
改造であれば今迄の自分を土台にして、
善悪を入れ替えるだけで済みましようが、
人間復活を目指す以上は、
こんな生易しいことでは到底おっつきません。
今迄の自分を一度解体して
新しい自分を作り出す覚悟が必要なのです。
これが革命です。
酒だけのことではありません。
断酒だけのことであれば一生入院しておればよいのです、
社会復帰する以上は、単に酒をやめるだけでなく、
人間らしい人間の生き方に徹し切ってこそ酒を
やめた価値があるのだと思います。
これまでの悪業は
確かに酒が原因であったかも知れません。
しかし、これを行ったのは自分自身で
あることを十分に認識して頂きたいのです。
断酒誓約にもあります様に
「酒に罪なく罪は飲んだ私にあります」
ここが最も重要なところではないかと思うのです。
その自分自身を再起さすのですから、
一からの出発でなく、
無からの建て直しでなくては
真の新生にはなりません。
過去の自分の悪業を改めて取りあげてみることは、
非常に幸いことかも知れませんが、
この傷口をバンソウコウを貼ることで
誤魔化していたのでは
傷は更に深部に達し、遂には人間失格という
大事に至る可能性が十分にあるのです。
そんな姑息なものでなく、
この際に思い切って傷口にメスを入れ
傷の隅ずみまで洗い浄める大手術が
必要となっているのです。
傷口に絆創膏が改造とすれば、
大手術がさしずめ革命ということになります。
いま一つ大切なことは、
大手術の後は傷口が自然にふさがるまで焦ったり、
無理をしてはいけないということです。
焦って無理をすれば傷口がさけて、
そこからどんなバイキンが入るかも知れません。
傷口が完全に塞がって
大地にしっかり足をフン張って
歩けるようになるまでは、ただ忍耐することです。
この忍耐が、やがて再起した
新生体の血となり肉となることを信じて明るく、
そして豊かな心で日々を送って頂きたい
と思うのです。
児玉語録
和歌山断酒道場 前道場長
児玉正孝先生訓話集
     



- テーマ:メンタルヘルス
- ジャンル:心と身体
- カテゴリ:児玉語録・和歌山断酒道場
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